HE-MAN WOMAN HATERソロ解析


Extreme II: Pornograffitti
「HE-MAN WOMAN HATER」曲冒頭からのソロです。
曲を聴く
※YAMAHA主催の「プレイヤーズ王国」に掲載していただいてます。

ギターを初めて約15年間、ずっとだまされてました。これ、ディレイマジックです。昨年某ギター雑誌のコピー曲コンテストで何度も受賞される方のHPで教えていただきました。

EXTREME来日記念でコピってみましたが…。実際ディレイマジックを使っていないように聞かせるのは結構難しい!しかも自分のディレイの音に惑わされて、焦ってしまいます。

シンコー・ミュージックより発売されているバンドスコアによるとドゥイージル・ザッパによる演奏だそうです。同スコアをもとに解説してゆきます。私が実際できているかは別として(^^ゞいくつかポイントをあげていきたいと思います。

【全体POINT】
猛烈な16分音符のフルピッキングに聞こえますが、ディレイマジックを使っています。
スコアには一切記述されていませんので騙されないように!

TEMPOは187.50とします。理由は60/187.50の答えが割り切れる数値になるためです。実際はもう少し早い気もしますが妥当なテンポかなと思います。

ディレイに設定するDelay Timeを求める計算式はこのようになります。

tempoとは1分間に打たれる4分音符の数なので
4分音符1つ打たれるには何秒かかるか求めます。

60(秒) ÷ 187.50(テンポ) = 0.32(秒)

= 320ミリ秒
= 4分音符あたり320(ミリ秒)

ここから16分音符1つあたりを求めます。
16分音符は8つで4分音符1つ分になるので更に8で割ります。

320(ミリ秒)÷ 8 = 40(秒)
= 16分音符あたり 40(ミリ秒)

ここまで求めたら、ディレイの音をどの位置に鳴らしたいか考えましょう。

今回は弾いた音から3つ目離れた16分音符の位置でディレイ音を鳴らしたいので
40(ミリ秒) × 3 = 240(ミリ秒)

という計算になります。

最終的にディレイの設定は
Delay time:240msec
Feed back:1 (ディレイ音は1回だけ鳴らす設定)
Effect Level:100 (ディレイ音を原音と同じ大きさで鳴らす設定)
と設定します。

この設定をして、8分音符で弾いてください。
ここでポイントがあるのですが8分音符といっても「ポーピーポーピー」と弾くのではなく
「ポッ、ピッ、ポッ、ピッ」と、スタッカート気味に弾くのがポイントのひとつです。

その他のポイントを箇条書きでまとめました。
・ディストーションはあまりかけすぎない。
・リヴァーブなどエフェクトは一切かけない。ディレイのみ。
・右手はハーフミュートが基本。
・低音弦はミュートしてノイズは完全にカット(ノイズがディレイで拾われないように)。
・ピッキングのアタックは極力同じにする。(フルピッキングに聞こえるように)

■2012/02/20 追記
このソロはクラッシク曲『Flight of the Bumblebee』を元にした作品のようです。(リンク先に音源
よく聞くと出だしなどは似ていますね。となると、後述するBumble Bee (Crash Landing)は、ストーリーにつながりが有りそうですね!

 

続きに小節別にポイントをまとめてみました。

【小節別POINT】

[5~12小節]
出だしは1フレットずつ下降するクロマチックフレーズ。
人差指、中指のみで、焦らず慎重に下降してゆきましょう。

[13~20小節]
ハエがまさに「五月蝿く」蜂がブンブンと飛び交う
うっとうしさを演出したような、モチーフとなるフレーズ。
後半にも2・3回出てきます。
このフレーズは歯切れよく聞かせるために
右手の腹でのミュートを少し強めて
弾いてゆきましょう。
人差指と小指で弾ききれます。

[21~24小節]
「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙~、うっといしぃ!イライラする!」
という怒りのヴォルテージが上がる感じを表現したのでしょうか。
ディミニッシュスケールを上昇してゆきます。

人差指と小指で弾ききれます。
人差指と小指の間隔を一定に保って1弦-1フレットずつ
ずらす様に弾くとよいと思います。(ただし3弦から2弦へ移る時は2フレット移動)

[25~32小節]×2
ここからはハエ蜂とのバトルを表現したんでしょうか。
軽いストレッチフレーズです。私は小指が少し短いので
結構つらいですが、みなさんはどうでしょうか。
使うフレットは決まっているので混乱しないように。
人差指で抑えるフレットを軸にゆっくりと覚えていきましょう。

[33~36小節]
ここからは前半2小節が繰り返し、後半2小節が異なるフレーズ。
後半は開放弦を使ったフレーズです。7フレットから16フレットを
一気に押さえにいくので目線は先に移して、押さえる位置を確認しておきましょう。

[37~40小節]
後半2小節はモチーフと類似するフレーズです。
4拍目の開放弦を弾いている間に左手は17フレットあたりまで
移動させておきましょう。

[41~44小節]
後半2小節は1フレットずつの上昇。
2小節目の終わりから3小節目頭にかけては
5フレットから11フレットまでかなり左手が移動することになるので
目線は移動して押さえる位置を確認しておきましょう。
人差指、中指のみで、焦らず慎重に上昇してゆきましょう。

[45~48小節]
後半2小節を弾き終わるとタッピングに入ります。
4拍目の開放弦を弾いている間に左手の移動を完了しておきましょう。
後で気づいたのですが、タッピングにはいる直前2小節は譜面上
1弦「6 0 3 0」となっていますが「6 0 2 0」が正解です。今回は「6 0 3 0」で弾いてしまっています。

[49~62小節]
タッピングです。私はピックの持ち替えはしないで、
ピックを持ったまま中指でタッピングしてます。

ここは譜面どおり16分音符を弾いてよいと思います。
III Sides to Every Story のツアーライブでもこのソロを
弾いていたのですが、ヌーノもこのタッピングに
つながるところを軽くとちっていました。
(このとき、ディレイの音に気づいていれば!)

[63~66小節]
3連のタッピングになります。ここは少々難しいです。
まず1拍目の6弦0フレットですが、ここはタッピングしていた
中指ではじいて音を出しています。
右手のタッピング位置は1フレットずつ移動していくことになります。
左手も同様に1フレットずつ移動します。

私はこのパートを未だにうまく弾けませんが、どなたかコツを知っていたら教えてください。

[67小節]
コードAをジャーンと弾いてバッチリ完了です。
ライブではここからBumble Bee (Crash Landing)のソロへと展開してゆきます。

The Guitars That Rule The World, Vol. 1

以上、私のように騙されていたプレイヤーのみなさんの参考になれば幸いです。
練習用のメトロノームをアップロードしますので、コレで練習してみてください。
(あくまでメトロノームですぜ。JASRACさん。)
メトロノーム再生

P.S.
色々トチっている上、ディレイタイムの設定何故か234msecになっていたので、
もう一回弾きなおして再投稿します(`・ω・´)

5件のコメント

  1. え?この曲ってディレイなんですか?(゚∀゚;)
    全然聞こえませんよね。。。
    知りませんでした。
    すげーな~と思っていたんですけどね(゚Д゚ )

  2. そうなのです。ディレイなのですよ。
    初めて知った時はかなりショックでした。
    そのまま一生懸命練習していた日々は何?_| ̄|○
    って感じです。
    でも、全然ディレイに聞こえないところがホントすごいっすよね。

  3. 今思うとHE-MANのソロと
    Bumble Bee (Crash Landing)は
    一緒に作られたものかもしれない。

    HE-MANのソロに登場しているのは
    蝿ではなく蜂で、人間に叩かれて
    Crash Landingしたよ。
    っていうストーリなのかなぁと。

    考えすぎかな…。(-_-)

  4. 感動しました。シンコーからでてるやつとyoutubeなどを比較すると明らかに違う部分とかが出てきて、YOUNG GUITARあたりは本人の証言から採譜したから比較的正確という話は聞いていましたが、どのようなものを参考にされたのかお聞かせ願います。

  5. ■KINさん
    初めまして!参考にしたのはシンコーミュージックの譜面です。解説にはディレイマジックであるという記述はありませんが、採譜的にはあってると思いますのでそれなりに参考になると思います。(弾く音は譜面より少なくなります。TAB上の16分音符の1拍目と3拍目を弾きます。)

    参考になりましたでしょうか^^;

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